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韓国の様々な文化を紹介する月刊誌「スッカラ」の東京編集部ブログです。取材秘話や編集部の裏話など、スッカラのもう一つの魅力をお楽しみにいただければ幸いです。
by sukkara_tokyo
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身近にあった怖い話
 最近、怖い本を読みました。怖いと言っても、スリラーや怪奇物ではありません。でも、ある一面では楽しめないスリラー、怪奇物かも。
 安部司著『食品の裏側』(東洋経済新報社)です。副題に「みんな大好きな食品添加物」とついているので、食品添加物について書かれた本であることはすぐに分かるのですが、私たちが毎日食べている食品の中にどんなに多くの添加物が入っているか、その危険性というものを私たちはまったくと言って良いほど知らないことを知って慄然としてしまいました。
 もちろん、添加物は何となく危険と思っていたので、つとめてスナック菓子やカップラーメンの類は食べない、コンビニでは食べ物を買わない、人工着色料で鮮やかな色をした物は口に入れないなどと気は使ってきたつもりです。しかし、この本は添加物商社でトップ営業マンを走りつづけ、食品添加物業界と現在の食品業界の裏の裏まで知り尽くした著者が、「証人」として警告を発しているだけに、その実態は想像以上でした。
 製造段階で作りやすくするために、腐らせないために、歯ざわりや味をよくするために、味を調整するために、製造原価を安くするために…様々な理由で大量に添加される化学物質。果ては一切、自然の素材を使わずに、添加物だけで作られるラーメンの汁やジュース。もちろん、添加物のおかげで私たちはいつでも、どこでも便利に、安く、長持ちする食品を買う「恩恵」を享受しています。何事にも光と影はあるもの。著者は一方的に添加物を悪者にし、否定しているのではありません。しかし、法の不備や裏をかいて、巧妙にカネ儲けに走り、不透明な表示でごまかしている食品業界を告発し、その情報公開を求めているのです。
 毎日、食べる物ほとんどすべてが農薬漬けだったり、添加物てんこもりだったりしているのに、みんな知らないで「美味しい、便利だ」と喜んで食べている様はまさにスリラーも怪奇物も真っ青な現状ではないでしょうか。
 急速に経済発展を遂げている韓国も例外ではないでしょう。最近ではキムチも家で作る人が減り、スーパーで気軽に、手軽にパック詰めされたものを買う人が増えているとか。そのパックキムチにも添加物が入っているのかどうかは知りませんが、発酵食品であるキムチだけは最後の砦として天然、自然を守っていきたいものです。
  『スッカラ』は韓国のステキを出会うことを目指していますが、「ステキ」とは決して人間にとって害になる危険性のある、人工的に作り出したモノや生活ではないはずです。韓国でも最近、自然農法や自然に即応した生活を実践している人も増えていると聞きます。本当の「ステキ」を求めて、今日も『スッカラ』は韓国の旅を続けていきます。
by sukkara_tokyo | 2006-05-29 14:18
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